築年数の経った賃貸物件では、設置されているエアコンも古く、効きが悪くなっていることがあります。
「冷房をつけてもなかなか涼しくならない」「異音や異臭がする」などの症状があっても、管理会社や大家さんから「まだ動くので交換はできません」と言われるケースは少なくありません。
エアコンは貸主が用意した設備である場合、基本的に故障や著しい性能低下があれば交換対象になります。しかし「古い」だけでは交渉が通らないこともあります。
交換をお願いする前に、以下の点を確認しておきましょう。
- 製造から10年以上経っているか
- 畳数に対して能力不足ではないか
- 修理しても改善が見込めない状態か
これらを証拠として提示すれば、交渉がスムーズになります。
賃貸のエアコンは何年で交換するもの?

エアコンの寿命は、国税庁の耐用年数表では6年とされていますが、実際には10年以上使用されることも多いです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、交換時期を明確に年数で定めてはいませんが、製造から10〜15年を超えると性能低下や故障リスクが高まるとしています。
交換をお願いする基準としては、次の目安が有効です。
- 6年以内:通常は交換不要(故障時は修理)
- 7〜10年:部品供給終了が始まるため、故障時は交換も視野に
- 11年以上:性能低下や修理困難により交換が妥当
交渉の際は「年数+具体的な不具合」のセットで伝えることが重要です。
10年住んだらエアコンの交換にかかる修繕費

製造から10年を過ぎると、多くのメーカーで部品供給が終了します。
修理が可能でも、部品代や工賃が高額になり、修理費用>交換費用となる場合があります。
例えば、冷却不良の修理見積もりが3万円だった場合、貸主にとっては新品交換(5〜6万円)の方が長期的に見て得策です。
このような背景を説明すると、交渉がスムーズになります。
交渉時には、
- 製造年と型番を提示
- 部品供給終了の事実をメーカー公式サイトで確認
- 修理費用と交換費用の比較を示す
といった流れが有効です。
15年経ったエアコンの交換

15年以上経過したエアコンは、ほぼ全てのケースでメーカー部品の供給が終了しており、冷暖房効率も著しく低下します。
最新機種に比べて電気代が高くつくため、入居者にとっても貸主にとってもデメリットが大きいです。
交渉では以下の点を強調しましょう。
- 省エネ性能の差(環境省の省エネカタログ参照)
- 畳数不足による生活への支障
- 真夏や真冬に故障するリスク
これらを具体的なデータと一緒に伝えることで、「予防的交換」として認めてもらえる可能性が高まります。
20年経ったエアコンの交換
20年以上経過したエアコンは、冷媒ガスが旧規格(R22)で補充が困難、または安全面のリスクが指摘されています。
経済産業省の製品安全情報でも、古い家電の使用による火災事故が報告されています。
この場合は、
- 製造年の証拠(室外機銘板)
- 修理不可の事実
- 国やメーカーの安全警告
を添えて、速やかな交換を依頼しましょう。特に安全面のリスクは貸主も無視できません。
賃貸におけるエアコンの交換義務
民法606条には「賃貸人は賃借物を使用収益に適する状態に保つ義務」が定められています。
つまり、設備としてのエアコンがその機能を果たしていない場合、貸主は修繕や交換を行う義務があります。
国土交通省ガイドラインでも、自然損耗や経年劣化による交換は貸主負担とされています。
ただし、見た目の古さだけでは交換義務は発生しません。機能的な不具合の証拠が重要です。
エアコンの交換の交渉術

交渉を成功させるには、感情的にならず、事実をもとに話すことが大切です。
効果的な交渉手順
- 不具合の症状を整理(例:設定温度に達しない、異音、異臭)
- 動画や写真で記録
- 製造年・型番・部品供給状況を確認
- 書面やメールで依頼(証拠が残る形が望ましい)
例文:「製造年が2007年で、メーカーによる部品供給が終了しています。冷暖房効率も著しく低下しており、修理が困難なため、交換をご検討いただけますでしょうか。」
賃貸物件のエアコンは変えてもらえる
賃貸物件に備え付けられたエアコンは、設備として故障した場合、基本的に貸主負担で交換してもらえます。
ただし、借主が自費で設置したエアコンや故意・過失による故障は自己負担です。
入居前に契約書の「設備一覧表」や「修繕負担区分表」を確認し、どこまで貸主が負担するかを把握しておくことが大切です。
賃貸のエアコン交換は借主負担ですか
借主負担になるケースは以下の通りです。
- 借主が設置したエアコン
- 掃除不足や管理不良による故障
- 性能アップ目的の交換希望
特に契約書に「残置物」と記載されているエアコンは要注意です。残置物は貸主に修繕義務がないため、壊れた場合は借主負担となります。
エアコンの畳数が合ってない

エアコンは適用畳数によって能力が決まります。
例えば20㎡(約12畳)の部屋に6畳用のエアコンでは、真夏や真冬に効きが悪く、電気代も高くなります。
畳数不足は「使用に適さない状態」と判断される可能性があるため、交換交渉の材料になります。
管理会社に相談する際は、部屋の広さとエアコンの能力表示(室内機のシール)を一緒に提示しましょう。
まとめ|まずは事実を揃えて交渉を
「賃貸 エアコン 交換してくれない」と言われても、製造年、不具合、部品供給状況、畳数不足といった客観的な事実を揃えれば、交換の可能性は高まります。
法律やガイドラインの根拠をもとに、冷静かつ具体的に交渉することが成功のカギです。
まずは室内機と室外機の銘板をチェックし、製造年と型番を控えることから始めましょう。


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